[アップデート] Amazon EFSに低コストなストレージクラス「1 ゾーン」が登場しました
AWSのフルマネージドファイルシステムAmazon EFSに安価なストレージクラス「1ゾーン」が登場しました。
New – Lower Cost Storage Classes for Amazon Elastic File System | AWS News Blog
S3で提供されていた「1ゾーン」がEFSにも応用されたものであり、ファイルをひとつのアベイラビリティーゾーンにのみ保存し、通常のストレージクラスに比べて可用性と耐久性が損なわれる一方で、約半額(53%)で利用できるようになりました。
開発・ステージング環境であったり、データ処理系システムのように、ファイルシステムに高レベルな可用性・耐久性が求められていないシステムに向いています。
ストレージクラス | レート($/GB-月) | 耐久性 | SLA | AZ | 注意事項 |
---|---|---|---|---|---|
標準 | 0.36 | イレブン9 | 0.9999 | マルチAZ | なし |
低頻度アクセス | 0.0272 | イレブン9 | 0.9999 | マルチAZ | アクセス時に費用発生 |
1ゾーン※NEW | 0.192 | イレブン9 | 0.9990 | 1 | AZ障害にレジリエントでない |
1ゾーン低頻度アクセス※NEW | 0.0145 | イレブン9 | 0.9990 | 1 | アクセス時に費用発生。AZ障害にレジリエントでない |
- 表は「Managing EFS storage classes - Amazon Elastic File System」をもとに作成
- 東京リージョンのレート
やってみた
1ゾーンを利用するには、EFS の作成画面でストレージクラスに「One Zone」を指定し、デプロイするAZを選択するだけです。
後述のように、作成済みの標準ストレージクラスを1ゾーンに移行することはでき無いので、ご注意ください。
EFSの詳細・一覧画面にはアベイラビリティの項目が追加され、従来型の場合は「Regional」、1ゾーンの場合は、デプロイしているAZが表示されます。
注意点
AZ障害に備える
1ゾーン系ストレージクラスでは、ファイルは指定したひとつのAZにのみ保存されます。 そのため、AZ障害によりファイルが失われるリスクがあります。
EFSのバックアップを有効化し、複数のAZにスナップショットを保存することで、このような障害に備えることができます。
1ゾーンの利用に関係なく、EFSはデフォルトでバックアップを取得するようになっています。 特別な理由がない限り、無効化しないでください。
標準 - 1ゾーン間のストレージクラス変更はできない
ライフサイクル機能を使うと、アクセスの少ないファイルを低頻度アクセスストレージクラス(IA)系に移動することができます。
一方で、マルチAZ(リージョナル)↔シングルAZ(1ゾーン)間のストレージクラスの変更はできません。
保存するファイルの用途を見据えて、適切なストレージクラスで作成してください。
一部リージョンでは利用できない
1ゾーンは東京リージョンを含め、多くのリージョンで利用可能です。
大阪のように利用できないリージョンも存在するので、お使いのリージョンで利用可能かご確認ください。
- 東京
- US East (N. Virginia)
- US East (Ohio)
- US West (N. California)
- US West (Oregon)
- South America (São Paulo)
- Europe (Ireland)
- Europe (Frankfurt)
- Europe (Milan)
- Europe (Stockholm)
- Asia Pacific (Singapore)
- Asia Pacific (Sydney)
- Asia Pacific (Seoul)
- Asia Pacific (Mumbai)
- Asia Pacific (Hong Kong)
- Africa (Cape Town)
- Middle East (Bahrain)
- AWS GovCloud (US)
まとめ
Amazon EFSにファイルを1アベイラビリティゾーンだけに保存するストレージクラス「1ゾーン」が登場しました。
高レベルの可用性や耐久性が不要な開発系・分析系システムにおいて、安価にEFSを利用できます。 アベイラビリティ障害によりデータが失われるリスクがあるため、EFSのバックアップは必ず取得しましょう。
それでは。